不安神経症とはどんな病気か?克服事例に見る患者の家族の接し方と治療法
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不安神経症を克服した例(事例2)
(事例2)Bさん・35歳女性 郵便局の窓口事務
息苦しい家庭のなかで夫への信頼を失い、心臓に異常を感じるBさんは21歳のとき、郷里の九州から遠く離れた岡山の地に嫁いできた。
夫の両親と同居し、3人の娘がいる。
舅は気むずかしくて頑固、姑は細かく干渉してくる人だったので、たいへん気を遣いながら接してきた。
とくに姑には患者夫婦の給料を袋のまま差し出すようにいわれ、育児もすべて姑のペースで行われ、自由を束縛されていると感じており、夫だけが頼りであった。
夫は厳しいけれども、精力的で頼りがいのある人であった。
12月の初旬よりBさんはかぜ気味でからだの調子を崩した。
下痢、嘔吐が数日つづき、近くの内科で投薬を受け、若干もちなおしたようである。
郵便局の業務がふだんの何倍にもなり、多忙をきわめる年末のある日、ちょうど夫が夜勤で不在の晩のこと、なんともいえぬ不快な気分になり、胸苦しさ、息苦しさを覚え、心臓が早鐘のように打ちはじめた。
「心臓発作だ、死ぬかもしれない」と直感した彼女は救急車を呼んで夜間救急病院を受診した。
しかし心電図をはじめとする一連の内科検査で異常は発見されなかった。
Bさんは安定剤を注射され、平静を取りもどした。
医師から「心配ない」と告げられ帰宅したが、それから毎日のように夕方になると不安になり、おもに夜間に同様の発作が起こった。
突然襲ってくる不安の激しさのあまり、発狂するのではないかと思うこともあった。
何度も救急病院で診察を受けたが、そのつど「異常なし」といわれた。
Bさんは納得がいかず、有名な心臓専門病院を受診した。
24時間心電図など精密検査の結果はやはり「異常なし」で、心臓神経症と診断されて当院に紹介されてきた。
Bさんは急激に起こる動悸の発作を狭心症などの心臓疾患ではないかと疑い、専門医からそれを否定されてもなかなか安心できない様子であった。
そこで、動悸の発作は心臓病でなくても起きることがあること、あなたの場合は身体的不調や多忙な仕事による身体的・心理的ストレスから生じた不安が原因かもしれないと話し、抗不安薬とベーターブロッカーというクスリを服用してもらった。
数日以内に彼女は気分がらくになり、心臓病や精神病への恐怖感も和らいだ。
その後、Bさんとの話でつぎのようなことが分かった。
知人の少ない土地での生活は心細く、姑や舅に不満を抱きながらも逆らうことができず、窮屈な思いをしていたところ、頼りにしていた夫が夏に職場の旅行で東南アジアに出かけた際に現地の女性と関係をもち、性病になってしまったのである。
このことは患者にとってこの上ないショックだった。
これまで培ってきた信頼と愛情をいっきょに失ってしまったような気がした。
彼女はこのことをだれにも話せず、自分一人の胸にしまっていたのである。
Bさんは涙ぐみながらこの話をしてくれたが、話し終えるとなにかほっとしたような顔つきになった。
元来寂しがり屋のBさんは、唯一甘え、頼ることのできた夫に裏切られ、支えを失ってしまったように感じていたのである。
そこで夫にも来診してもらうことにした。
Bさんに対する夫の態度は、厳しい父親のようであった。
しかしその後毎回、Bさんの受診には同伴し、厳しさのなかに妻に対する愛情がうかがえた。
外来の面接では、夫の旅行についてはあえて触れなかったが、Bさんの夫への信頼は少しずつ回復しているように見受けられた。
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不安神経症を克服した例(事例3)
※「不安神経症患者の家族のために」より
目次(不安神経症患者の家族のために)
不安は生きてる証/不安を心に閉じ込めること
不安神経症を克服した例(事例1)
不安神経症を克服した例(事例2)
不安神経症を克服した例(事例3)
不安神経症とはどんな病気か/神経症とは
不安神経症とはどんな病気か/不安神経症とは
不安神経症を起こしやすいタイプ/起こしやすいとき/経過
不安神経症患者への接し方/不安神経症の治療法
不安神経症患者への接し方/家族はこう接する
<コラム>
不安神経症の症状と対応
改めて不安神経症について
不安神経症患者への接し方
<うつ・不安・不眠用サプリメント>
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恐怖症・不安症・パニック障害・強迫神経症・適応障害・心身症など、心身の不調を改善!メンタルサプリプログラム
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