不安神経症とはどんな病気か?克服事例に見る患者の家族の接し方と治療法
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不安神経症を克服した例(事例3)
(事例3)Cさん・50歳男性 電気工事会社課長
父親が病気に倒れ、めまいとふらつきを感じるCさんは設計と現場管理の仕事をしている。
家庭にはしっかり者の妻と2人の大学生の娘がおり、外見的には申し分のない生活である。
元来まじめで、仕事を完壁にやり遂げないと気がすまない性格で、上司や同僚からの信頼を集めていた。
37歳で課長に昇進してからは、それまで以上にがむしゃらに働き、部下にもはっぱをかけて営業成績が上がるように奮闘していた。
仕事の量と責任がますます大きくなるなかで、39歳のときに父親が脳の悪性腫瘍で倒れた。
それでもCさんは相変わらず多忙な仕事をこなしていたが、父親が入院して約2カ月後のある休日、自宅で妻と昼食をとっていると突然手足からサッと血の気がひくように感じられた。
手足がジンジンとしびれ、めまいと胸をしめつけられるような苦悶感を覚えてその場に倒れこんでしまった。
意識はあるが気が遠くなるようにも思え、このままでは死んでしまうのではという恐怖感に襲われ、必死で妻に助けを求めた。
驚いた妻はあわてて近所の医師に往診を頼んだが、医師の診察を受けるころにはほとんど症状はなくなっており、メニエル病と診断された。
それ以来たびたびめまい、ふらつきを感じるようになり、たえず不安で、仕事に対して気持ちがあせるばかりで、能率は低下する一方であった。
上司のはからいによって42歳からは仕事量と責任を軽減されたが、不安感はいっこうに減少しないどころかますます強くなり、めまい、ふらつきのほか、胃がむかついて気分が悪くなったり、頭痛やのぼせ感を感じるようになった。
夜は眠れず、いつもいらいらして怒りっぽくなった。
からだがだるく仕事にも自信を失い、妻からも「窓際族」などとののしられ、なんとかしなければとあせればあせるほど症状が強く現れ、不安から逃れられなくなってしまった。
耳鼻科ではメニエル病は否定され、自律神経失調症といわれ、精神科を受診するようにすすめられて来院した。
Cさんの場合、最初は急性の自律神経症状と死の恐怖を伴う不安が発作的に出現しているが、その後はたびたび不安が強まるものの、パニック発作というほどではない慢性的な不安、緊張感と自律神経症状が特徴的である。
Cさんは負けずぎらいで完全欲が強いため、つねに自己に高い要求水準を課して精神的に負担が増していたところに、父親が死に至る病に伏したことから、自分自身の死への恐怖を呼び起こしたようであった。
仕事量や責任が軽減されると、ますますCさんのプライドや完全欲は傷つけられ、不安が増強したのである。
耳鼻科的検査や内科的検査で異常が認められないことを確認し、めまいをはじめとする持続的な身体症状は慢性的不安によるものであると説明して、身体的な保証を与えた。
抗不安薬を処方しながら患者の完全性への執着に焦点を当てて治療をすすめるなかで、患者が仕事場での対人関係のみならず、父親や妻に対しても競争意識をもち、優位でありたいと願っていたことが分かった。
やがて患者はありのままの(それほど立派でない)自己を認められるようになり、不安感やめまいはしだいに軽くなった。
仕事に対しても肩肘はらず、周囲の人の援助を受けることにもちゅうちょしなくなった。
また妻の提案により、帰宅後毎日2人で散歩するようにもなっている。
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不安神経症とはどんな病気か/神経症とは
※「不安神経症患者の家族のために」より
ヌーススピリッツ&マインドセット
目次(不安神経症患者の家族のために)
不安は生きてる証/不安を心に閉じ込めること
不安神経症を克服した例(事例1)
不安神経症を克服した例(事例2)
不安神経症を克服した例(事例3)
不安神経症とはどんな病気か/神経症とは
不安神経症とはどんな病気か/不安神経症とは
不安神経症を起こしやすいタイプ/起こしやすいとき/経過
不安神経症患者への接し方/不安神経症の治療法
不安神経症患者への接し方/家族はこう接する
<コラム>
不安神経症の症状と対応
改めて不安神経症について
不安神経症患者への接し方
<うつ・不安・不眠用サプリメント>
メンタルサプリ ヌーススピリッツ&ヌースマインド
<その他>
恐怖症・不安症・パニック障害・強迫神経症・適応障害・心身症など、心身の不調を改善!メンタルサプリプログラム
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